Android の Wi-Fi Access Point を表す ScanResult, WifiConfiguration, WifiInfo の違い

この記事は Android の Wi-Fi 実装に関する情報のまとめの一部として書かれました

Android の Wi-Fi Access Point を表す情報は複数あります。具体的には以下の4種類。

これらは同じような情報を持ちつつ用途が異なるので、ここで整理しておこうと思います。（ただ、NetworkInfo は少し特殊なので、あえてタイトルには入れませんでした。）

ScanResult

名前の如く、周辺の Access Point をスキャンした結果です。周波数や電波強度等、ハードウェアよりの情報が多く含まれます。

// Activity 等の Context の中で
WifiManager wm = (WifiManager) getSystemService(WIFI_SERVICE);
List<ScanResult> scanResults = wm.getScanResults();

ScanResult の主なデータは以下です。

SSID : my-ssid
wifiSsid : my-ssid
BSSID : aa:bb:cc:dd:ee:ff
capabilities : [WPA-PSK-CCMP][WPA2-PSK-CCMP][WPS][ESS]
frequency : 2437
level : -93
timestamp : 713047320153

参考

穀風: Android で付近の Wi-Fi Access Point を検索して一覧を取得する

WifiConfiguration

保存済み、もしくはこれから新規追加する Access Point の情報です。接続に使用する情報のため、パスワード等を持っているのが特徴です。

新規追加の際は自分で情報をセットする必要があります。具体的な方法は後述します。

// Activity 等の Context の中で
WifiManager wm = (WifiManager) getSystemService(WIFI_SERVICE);
 
// 保存済みの取得
List<WifiConfiguration> wifiConfigurations = wm.getConfiguredNetworks();
 
 
// 新規追加
WifiConfiguration newWifiConfiguration = new WifiConfiguration();
// ここで接続に必要な情報をセットする
wm.addNetwork(newWifiConfiguration);

WifiConfiguration の主なデータは以下です。

SSID : my-ssid
BSSID : aa:bb:cc:dd:ee:ff
networkId : 1
status : CURRENT or ENABLED or DISABLED
その他、暗号化に関する情報、パスワード等

参考

穀風: Android で登録済みの Wi-Fi Access Point 一覧を取得する

穀風: Android で Wi-Fi ScanResult を WifiConfiguration に変換する方法

WifiInfo

現在接続している Access Point の情報です。接続状態を持つだけでなく、Scan Result のようなハードウェアよりの情報も持っています。

// Activity 等の Context 内で
WifiManager wm = (WifiManager) getSystemService(WIFI_SERVICE);
WifiInfo wifiInfo = wm.getConnectionInfo();

WifiInfo の主なデータは以下です。

SSID : my-ssid
BSSID : aa:bb:cc:dd:ee:ff
NetworkId : 1
IpAddress : 192.168.0.1
MAC Address : 00:11:22:33:44
Frequency : 2437
RSSI : 
LinkSpeed : 
SupplicantState :

参考

穀風: Android で接続している Wi-Fi Access Point の情報を取得する

穀風: Android で Wi-Fi の接続状態を確認する

NetworkInfo

少々毛色は違いますが、android.net.NetworkInfo も Wi-Fi の状態を表します。

実際、AOSP の内部では com.android.settingslib.wifi.AccessPoint というクラス¹を用意し、Access Point を統一的に扱えるようにしていますが、NetworkInfo もストアされる情報に含まれています。

// Activity 等の Context 内で
ConnectivityManager connectivityManager =
        (ConnectivityManager) getSystemService(CONNECTIVITY_SERVICE);
 
NetworkInfo networkInfo = connectivityManager.getActiveNetworkInfo();
if (networkInfo != null && networkInfo.getType() == ConnectivityManager.TYPE_WIFI) {
        NetworkInfo.State networkState = networkInfo.getState();
}

Access Point の情報という意味では、このクラスの State を参照することが多いでしょう。

参考

穀風: Android で Wi-Fi の接続状態を確認する

WifiConfiguration の新規作成

ScanResult, WifiInfo はデータを利用するだけですが、 WifiConfiguration は自分で作成しなければなりません。変換ユーティリティ等が用意されていれば良いのですが、少なくとも AOSP で公式に用意はしていないようです。

Android Framework の中では com.android.settings.wifi.WifiConfigController の中に getConfig() というメソッドがあり、この中で他の情報からの変換をおこなっています。

このあたりの実装が、もう少し汎用的で public だと良かったのですが、残念ながら外から普通に使用することは出来ません。

さほど複雑なことはしていないので、自力で実装するのが良いでしょう。具体的には以下を参考にしてください。

参考

穀風: Android で Wi-Fi ScanResult を WifiConfiguration に変換する方法

普通には Android Framework の内部でしか使用できません ↩

穀風