2016/10/30

Android エミュレーターの rootfs に永続的な編集を加える方法

[Android エミュレーターで Read-only file system に書き込めるようにする](http://kokufu.blogspot.jp/2016/10/android-read-only-file-system.html) で rootfs は揮発性だと書きました。
つまり、再起動すると加えた変更が元に戻ってしまうのです。

これは、rootfs が [Initramfs](https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=Initramfs&redirect=no) という RAM 上に展開されるファイルシステムのためです。
RAM 上に展開されたファイルシステムに変更を加えても、その実体には変更が反映されないので
再起動後には消えてしまうというわけです。

この Initramfs、実体は [cpio](https://ja.wikipedia.org/wiki/Cpio) アーカイブを [gzip](https://ja.wikipedia.org/wiki/Gzip) 圧縮したものなので、以下のようにして永続的に変更を反映させることができます。

> 参考
>
> [第384回 Initramfsのしくみ:Ubuntu Weekly Recipe|gihyo.jp … 技術評論社](http://gihyo.jp/admin/serial/01/ubuntu-recipe/0384)


### ramdisk.img の場所を確認
`~/.android/avd/AVD_NAME/hardware-qemu.ini` の `disk.ramdisk.path` が rootfs の実体となるファイルを示しているので確認します。

```
disk.ramdisk.path = ANDROID-SDK_DIR/system-images/android-21/default/x86_64//ramdisk.img
```


### ramdisk.img の展開
空のディレクトリ名前は何でも良いですを作り、先ほど確認した `ramdisk.img` を展開します。

```console
`gutter: false;
$ mkdir ramdisk
$ cd ramdisk
$ gunzip -c ANDROID-SDK_DIR/system-images/android-21/default/x86_64/ramdisk.img | cpio -i
```

`ramdisk` dir 以下に ramdisk.img の中身が展開されているはずです。


### 編集
ファイルの追加や編集を行います。

起動に使用する設定ファイルやスクリプトを書き換えると、正常に起動しなくなる可能性があるので注意しましょう。


### 再アーカイブ
`ramdisk` ディレクトリにいることを確認し、以下のように圧縮します。

```console
`gutter: false;
$ pwd
~/ramdisk
$ find . | cpio -R 0:0 -o -H newc | gzip > ../my_ramdisk.img
```

### エミュレーターに登録
以下のようにして、`ramdisk.img` を入れ替えれば、エミュレーターからマウントされるようになります。

```console
`gutter: false;
$ cd ANDROID-SDK_DIR/system-images/android-21/default/x86_64
$ mv ramdisk.img ramdisk.img.bak
$ cp ~/my_ramdisk.img ramdisk.img
```

本来ならば、元の `ramdisk.img` を書き換えるのは避けたいところです。
しかし、`~/.android/avd/AVD_NAME/hardware-qemu.ini` を編集してもエミュレーターの起動時にデフォルト設定に書きなおされてしまいますGUI の AVD Manager が原因かと疑ったのですが、コマンドラインから起動しても同じでした。
そのため、今回は `ramdisk.img` を直接変更する方法をとりました。

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